【専門家インタビュー】”ネオ瞑想”体験ができるCOHPLUSの代表・木村美穂さんに学ぶ、正しい姿勢や体の使い方!

専門家インタビュー

北千住駅より徒歩8分のところにある場所で「COHPLUS」を営む木村美穂さん。彼女はアスレティックトレーナーの資格を所持しており、身体のメカニズムに精通しています。ところで、COHPLUSではどのような体験ができるのでしょうか。

今回はCOHPLUS代表の木村さんに、レッスンの基軸となるフェルデンクライスメソッド®︎や、その内容についてうかがいました。

会社員から個人事業主へ転身。思う存分チャレンジすることに

-木村さんが「COHPLUS(コープラス)」をスタートするに至った経緯や思いを教えてください

3年前までは病院でリハビリ関係の仕事をしていましたが、退職し独立しました。当時、仕事でもプライベートでも悩んでいた時期にフェルデンクライスメソッド®︎に出会ったことがきっかけで悩みも解決に向い、人生への向き合い方が変わりました。

神経系にアプローチすることで、些細な刺激でも十分に変化を感じられる点にも魅力を感じ、この道を進んで行こうと決めました。

その道を進むためには、年間40日の講習に参加する必要があり、さらにその学習は数年続きます。

会社員であっては成し遂げることが難しいと感じたので、実現するための方法の一つとして独立し、COHPLUSを立ち上げました。

-木村さんのお仕事は、いわゆる理学療法士とは違いますか?

はい。私はアスレティックトレーナーの資格を持っているのですが、このライセンスは主にアスリートを対象に、リハビリ業務を行なったり、コンディションを通じた体調マネジメントを担います。

一方で理学療法士は、リハビリテーションを通じて患者さんが日常生活で問題なくすごせるように手助けをします。そのような観点から考えると、私の仕事と理学療法士は業務内容がちがいますね。

-ご自身が感銘を受けた、フェルデンクライスメソッドについて教えてください

端的に説明すると、ユダヤ系ロシア人のモシェ・フェルデンクライスが『個人にとって心地よいと感じる体の動きこそが、脳に刺激をあたえて活性化させる司令塔だ』と気づいて確立させたメソッドです。COHPLUSではフェルデンクライスメソッド®︎にもとづき、動きの感覚に注意を向け、習慣化した「癖」から自分自身を解き放つ提案をレッスンを通じしています。

自分の根底にある気持ちに気づくための「ネオ瞑想」

木村さんのレッスンには「ネオ瞑想」というものがありますが、それは普通の瞑想と何が違いますか?

瞑想は別名「マインドフルネス」とも呼ばれ、方法は多岐に渡ります。たとえば音楽にあわせて瞑想してみたり、言葉による誘導瞑想もあります。私が思うに瞑想とは『今の状態』に気づくための手段だと考えています。つまり瞑想は自分の中でどんなことが起こっているのかに注意を向けることで、問いの質を高めていく時間です

一般的なイメージにおける瞑想と、ネオ瞑想の目的(今の状態に注意を向ける)は同じです。ですが、ネオ瞑想はただじっと体を休ませて内側に意識を向けていく瞑想ではなく、体の動きを通じて気付きを得て行く学習プロセスです。

フェルデンクライスメソッド®︎では直接触れる個別の感覚統合レッスンと、グループで動きの誘導の中行うATM(Awareness Through Movement:動きを通じた気付き)レッスンがあります。そのままのネーミングで行うよりも、普段みなさんが慣れている言葉でお伝えすることで考え方が広がっていくのではないかと考えてネオ瞑想と名付けました。

自分という在り方は、今まで生きてきた(人生の)歴史が表現されたものではないでしょうか?歴史は習慣とも言い換えることができ、私たち個人の考え方や感情の捉え方などによって、姿勢や仕草も影響を受けていると言えます。習慣そのものは無意識で繰り返されることが多いものです。

だからこそ、身体に怪我や不調などがあって知らず知らずの間に動きの習慣が出来上がった人でも実践できる工夫がされているのがフェルデンクライスメソッド®︎の大きな特徴です。COHPLUSのレッスンでは、筋肉を鍛えたり、強くひっぱったりと力を使うのではなく、最小限の力で効率的に動く方法を学びます。体ではなく脳を訓練することで、いつでもその人にとって最適な動きを見つける力を育むことを目的としているからです。

レッスンの際、心地よい姿勢をとっていただきながら、体の動きをつなげていきます。もちろん、人によってレッスンの内容は違いますが、個人レッスンの場合は「どんな様子で動いているのか?」や「どこが動きに参加しているのか?」などを意識してもらいながら進めます。そうすることで、神経系の運動学習が促されていきます。

レッスンの際に心掛けていることは、レッスンを受けた人の感じ方を最優先することです。見本を見せてそれを真似してもらったり、動きに正解があるように伝えることはしません。

ですが、人の持つ骨格を活用してより楽に、楽しく動けるお手伝いをしています。体の動きが変わることで、見ている世界の彩も変化するのではないでしょうか。

関わる方の居場所をつくりたい

レッスンの際に使用するベッド

-心と体のつながりを大切にすることでどういった変化を感じられる方が多いでしょうか。

COHPLUSに通われていた方が自分の体の様子に耳を済ませて、みずから調整できるようになりました。その方はCOHPLUSのレッスンに通うまで、体の様子に変化があった時に、なぜそれが起こっているのか?どこでそれを感じているのか?が不鮮明だったので対応する選択肢がすごく少なかったようでした。

ですが、レッスンを重ねるごとにご自身の体やその動きに好奇心を持って過ごすことができるようになり、理解が深まったようでした。そのことがきっかけで、その時々の体の変化に合わせて自分でケアすることがスムーズにできるようになりました。

ひとつの事柄に対して、いくつもの方法でアプローチする思考も身につきました。

フェルデンクライスメソッド®︎は、動き・感覚・思考・感情の4つの要素が影響しあっていると考えます。この中の動きから気付きを得て行くことで、そのほかの要素にも変化が起こります。

レッスンの中での気付きを大切にしながら、呼吸や姿勢に注意を向けて行くことで日常の様々なことに役立てることができます。

-お客様はどれくらいの間隔でCOHPLUSに通われていますか?

平均して3カ月程度通われているお客様が多いですね。理想としては週1ペースがいちばんなのですが、現状では2週間に1回程度通われる人がほとんどです。年齢層は30〜40代の女性が多く、ときには70代のお客様もご来店されます。

-今後どのような活動をされていきたいでしょうか?

ゆくゆくはCOHPLUSと関わることで安心と安全を体験し、つながりを得られる場所を作りたいと思っています。そのために日々SNSを通じた発信活動もしています。

みずからが経験して初めて学習になると私は考えています。その経験の輪が広がって行くきっかけを作れたら、とても嬉しいです。

これからもご来店くださる人とのご縁を大切にしながら、COHPLUSを運営していきます。

-木村さん、ありがとうございました。

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神埼 寧

地元の愛知県で5年間観光バスガイドとして勤務したあと、フリーライターの道を選ぶ。 過去の経験に基づいた旅行記事の執筆や取材などを得意としている。目指すはオー...

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