【医師監修】美白にトマトは強い味方!効果的な理由と効率よく摂取する方法

熊田 朗子
監修者 : 熊田 朗子

日本皮膚科学会認定専門医

なないろスキンクリニック 院長

WEB:http://www.nanairo.or.jp/skin-clini

【プロフィール】

富山医科薬科大学医学部卒業。
金沢大学医学部皮膚科学教室入局。
石川県内の公立病院皮膚科勤務を経て、都内、千葉、茨城の皮膚科、美容皮膚科で研鑽を積む。
2019年なないろスキンクリニックを開院。
施術のみでなく、個々のライフスタイルに合わせたスキンケアを提案している。

スキンケア

美白に効果的な食べ物として、注目されているトマトの美白効果は、「食べる美白コスメ」「食べる日焼け止め」とも言われるほど。今回は美白作用があるトマトの有効成分と、効率よくトマトを摂取する方法についてご紹介します。

トマトの美白効果がすごい!

美白によいとされるトマトですが、研究でもその効果が証明されています。トマトの驚くべき美白効果について、そのメカニズムと研究結果を紹介します。

美白の秘密はリコピン

美白の秘密は、ずばりトマトに含まれるリコピンです。リコピンは野菜や果物の色素成分で、トマトが赤いのはこのリコピンの作用によるもの。リコピンが美容成分の中でも注目されているのは、強い抗酸化作用を持っていることによります。

体内に取り込まれた酸素の一部は、強い酸化力を持った「活性酸素」になります。活性酸素自体は、細菌やウイルスから体を守る免疫細胞としても働く大切な物質です。しかし紫外線やストレスなどで活性酸素が増え過ぎると、正常な細胞まで攻撃してしまい、肌や体を老化させる原因となるのです。

紫外線を浴びると、体内では活性酸素が増え、大量のメラニン色素を作るように指令が出されます。リコピンはその抗酸化作用により、メラニンを作るもととなる酵素の働きを抑制し、シミやそばかすを予防する効果があります。

肌の色調が回復するという研究結果も

トマトの美白効果については、研究でも明らかにされています。カゴメ株式会社が2016年に発表した結果によると、トマトジュースまたは高リコピントマトジュースを12週間飲用した被検者は、リコピンを含まないトマトジュースを飲用した被検者と比較して、紫外線により暗くなった肌の色調を回復させるということがわかりました。これは、紫外線により暗くなった肌の色調が、リコピンの摂取によって改善される可能性を示唆するものです。

参考:カゴメ株式会社:ニュースリリース

おすすめのトマトの摂り方

強い抗酸化作用を持ち美白にも効くトマトですが、リコピンの効果を最大限引き出すためには、その摂り方にもコツがあります。おすすめのトマトの摂り方について解説します。

加熱する

トマトを生のままで食べるより、加熱した方がリコピンの吸収率が上がります。野菜や果物には「細胞壁」があり、これが栄養素の吸収を阻害する原因です。熱をかけると細胞壁が壊れやすくなり、リコピンを効率よく吸収できるのです。なおリコピンは熱に強いので、加熱しても成分が大きく減少することはありません。

トマトジュースやスープとして

細胞壁を壊すもう一つの方法が、粉砕です。すりつぶして物理的に細胞壁を壊すと、リコピンを効率よく摂取できます。トマトを生のまま食べるより、ジュースなどの加工品として摂取した方が、リコピンの吸収率は3.8倍高まるという研究結果もあります。場合に応じて、ジュースやピューレ、ケチャップなどの加工品を上手に利用するとよいでしょう。

参考:カゴメ株式会社「トマト大学TOPIC_6 リコピンの吸収を良くする」

朝に食べる

実はトマトは食べる時間にもポイントがあります。トマトは朝食べた方が、昼や夜に食べる場合と比較して、リコピンの吸収率が上がると研究により証明されているのです。また、トマトを摂取後にリコピンが吸収され血中濃度が上昇するのに数時間かかります。日中のUV対策という点から見ても、トマトは朝の摂取がおすすめです。

参考:カゴメ株式会社「ニュースリリース」

油とともに摂取する

脂溶性であるリコピンは、油との相性が抜群です。オリーブオイルをかける、油で炒めるなど調理法を一つ工夫するだけで、よりリコピンを摂取できます。

美白に効く!おすすめのトマトレシピ

リコピンの効率よい摂取方法がわかったら、美白に効くトマト料理を作ってみましょう。簡単にできるおすすめのトマトレシピを紹介します。

簡単!和風トマトサラダ(2人分)

トマトを食べやすい大きさにカットし、オリーブオイル小さじ2、めんつゆ小さじ1、塩・砂糖少々を加えるだけの簡単サラダです。お好みでクリームチーズ、アボカドなどを加えるのもおすすめ。

さっぱりしたいときは、めんつゆの代わりにポン酢を使ってみるのもよいでしょう。夏場は冷蔵庫で冷やしてから食べるのもいいですね。油を使ってリコピンの吸収率を高めた、簡単レシピです。

野菜たっぷり!トマト炒め(2人分)

なす、ズッキーニ、パプリカ、玉ねぎを食べやすい大きさにカットします。カットした野菜を油で炒め、コンソメ小さじ1、中濃ソース小さじ1、トマトピューレ大さじ3を加えます。野菜がしんなりしたら、塩で味を調えて完成です。

鶏肉やウインナーを入れると、子どもも喜ぶメインディッシュに。油で炒める、さらにトマトピューレを使い、リコピンをしっかり吸収できるレシピです。

まとめ

トマトの栄養成分であるリコピンには強い抗酸化作用があり、メラニンの生成を抑制します。美白の味方であるリコピンを効率よく吸収するためには、摂取するタイミングや方法などいくつかのポイントがあります。摂取や調理の方法を工夫し、美白に効くトマトの効果を最大限に引き出しましょう。

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