【医師監修】美白成分はニキビ跡にも効果があるの?正しい知識を身につけよう!

米原 佑香
監修者 : 米原 佑香
【プロフィール】

埼玉医科大学医学部卒業。松下記念病院、大学附属病院で皮膚科の経験を積んだのち、 現在はYAG BEAUTY CLINIC 梅田、Dual Clinic 心斎橋で美容医療に従事。医療記事の監修も多数、行う。

スキンケア

ニキビの跡が残ってしまうのは、色素沈着が原因です。うっかりできてしまったニキビ跡には、美白ケアが効果的!ニキビ跡を消す正しいケアと、知っておきたい美白成分について紹介します。

ニキビはなぜ跡が残る?ニキビの正しい知識

まずはニキビの原因と、なぜ跡が残ってしまうのかという点を解説します。

ニキビの原因

ニキビの原因は、大きく分けて①皮脂の分泌増加、②毛穴の閉塞、③アクネ菌の繁殖、の3つが相互に関連しています。また、思春期やストレスなどの影響でホルモンバランスが乱れると、皮脂の分泌が過剰になります。

また皮膚の細胞は通常、28日間のサイクルで生まれ変わりを続けていますが(いわゆる「ターンオーバー」)、何らかの要因でこのサイクルが乱れると、毛穴が塞がり皮脂がつまりがちに。この皮脂をエサにしているのが、ニキビの原因菌とされている「アクネ菌」です。皮脂を栄養源にアクネ菌が繁殖した結果炎症を起こすのが、ニキビができるメカニズムです。

なぜニキビで色素沈着?

ニキビにもいくつかの種類があります。毛穴に皮脂がつまった「白ニキビ」、つまった皮脂が酸化した「黒ニキビ」、そして厄介なのが、毛穴の奥が傷つけられた「赤ニキビ」です。アクネ菌を退治するために毛穴の奥に傷がついてしまい、これが色素沈着の原因となってしまうのです。

また、通常であれば肌のターンオーバーにより色素沈着は消えていきますが、紫外線を浴びる時間が長かったり、ターンオーバーが乱れていたりすると、ニキビ跡が残って消えにくくなることがあります。

正しいニキビのケア方法

ニキビ跡を残さないように、正しいニキビのケア方法を知っておきましょう。

できてしまったニキビは絶対潰さない

ニキビができると気になって潰したくなりますが、ここはぐっとこらえて我慢してください。ニキビをつぶすと炎症がひどくなり、治りも遅くなります。自然治癒力に任せて、決して触らないように意識しましょう。

ニキビがあるうちは炎症を抑える治療を

ニキビがひどくない状態や、白ニキビあるいは黒ニキビの場合は、市販薬でも治療ができます。市販のニキビ治療薬には、抗炎症成分や抗菌成分などが含有されています。化膿しているときや赤ニキビの場合は、皮膚科を受診して治療した方がよいでしょう。まずはニキビを重症化させないための治療を選択してください。

美白ケアを併用して色素沈着を防ぐ

色素沈着してニキビ跡が残るのを防ぐため、美白ケアを取り入れましょう。美白成分には、メラニンを還元して色素沈着を予防したり、メラニンの生成を抑制したりする作用があります。美白成分が入ったスキンケア商品を普段から使っていると、ニキビ跡が残るのを予防できます。また美白美容液でピンポイントの集中ケアをするのもよいでしょう。

ニキビ跡に効く美白成分

ニキビ跡を残さないようにするためには、美白成分がポイントです。ニキビ跡に効く美白成分をご紹介します。

ビタミンC誘導体

美白成分として知られているビタミンCは、そのままでは肌に浸透しにくい性質を持っています。これに他の成分を結合させ、ビタミンCが肌から吸収されやすいようにしたものが、ビタミンC誘導体です。

ビタミンC誘導体は、メラニンを作る「チロシナーゼ」という酵素の働きを阻害してメラニン生成を予防するとともに、黒くなったメラニンを還元して無色化する作用があります。また肌のターンオーバーを正常化しメラニンを排出しやすくするため、美白には欠かせない成分の一つ。さらに、過剰な皮脂の分泌を抑える働きもあるので、ニキビ予防の点から見ても、ビタミンC誘導体は重要な成分なのです。

ビタミンA

ビタミンAは、皮脂の分泌を抑制してニキビを防ぐ働きがあります。またターンオーバーを促進し、毛穴のつまりを発生させる原因となる角質の肥厚を除去します。さらに損傷した皮膚の修復をサポートするため、ニキビ跡のケアには効果的な成分です。

m-トラネキサム酸

トラネキサム酸は人工的に合成されたアミノ酸で、メラニンの生成を予防する働きがあります。トラネキサム酸のシミ改善効果は、「肝斑(かんぱん)」の治療薬として医療用医薬品としても認可されているほどです。この誘導体が、m-トラネキサム酸です。

ハイドロキノン

メラニンの生成を抑制するとともに、メラニンを還元して無色化する作用も有する美白成分です。「お肌の漂白剤」とも呼ばれ、その美白効果が注目されています。皮膚科のシミ治療でも処方される成分ですが、市販の美白クリームでもハイドロキノンを主成分としているものがあります。

まとめ

ニキビができて炎症が起き、毛穴の奥が傷つけられると、ニキビ跡が残ってしまう可能性があります。ニキビ跡を残さないため、そして色素沈着してしまったニキビ跡を無色化するためには、美白成分がカギです。普段から美白成分が入ったスキンケア商品を使ったり、ニキビ跡に美白美容液をピンポイントで使ったりすると効果的です。美白ケアをして、ニキビ跡のない健やかな肌を保ちましょう。

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