寝不足で肌荒れになるのはなぜ?睡眠×美肌の関係と睡眠不足の対処法

起きれない女性
お悩み・症状

睡眠不足が続くと、肌の不調を実感する方も多いのではないでしょうか。健康な体作りに欠かせない睡眠ですが、寝不足は肌の健康にも影響を与えます。寝不足で肌荒れを引き起こす原因と、良質な睡眠をとるための対処法を解説します。

睡眠とホルモンの関係

睡眠と肌の関係で重要な役割を果たしているのが、成長ホルモンです。成長ホルモンは成長や代謝に関係するホルモンで、成長期の子どもだけでなく、大人にも必要なホルモン。就寝中に成長ホルモンの分泌が活発になりますが、寝不足だと成長ホルモンの分泌量が低下し、肌の代謝にも影響します。

成長ホルモンは、入眠後90分の深い眠り(ノンレム睡眠)で分泌がピークになり、その後90分かけて分泌が低下していきます。成長ホルモンをしっかり分泌させるためには、入眠後3時間はまとまった睡眠時間を確保することが理想です。

寝不足で肌荒れが起こる原因

肌の状態を気にする女性

睡眠不足だと、成長ホルモンの分泌が低下し、肌にもさまざまな影響があります。寝不足により、肌荒れが起こる原因を解説します。

肌のターンオーバーが乱れる

肌は絶えず新陳代謝を続けており、肌の一番表面にある角質細胞は、一定周期で古い角質とともに体外に排出され、これを肌のターンオーバーと呼びます。

寝不足により成長ホルモンの分泌が低下すると、肌のターンオーバーが遅れ、不要な角質が肌に残りやすくなり、ゴワゴワした肌つきになってしまうのです。また、シミやくすみの原因であるメラニンの排出も滞るため、シミができやすくなります。

美容成分の生成が低下する

肌の土台となるコラーゲンやエラスチン、肌の潤いを保持するヒアルロン酸などは、肌荒れを予防して滑らかな肌を作るのに欠かせない物質です。これらの美容成分を作り出すのは、肌の奥にある「線維芽(せんいが)細胞」です。

寝不足だと線維芽細胞の働きが低下して、美肌に欠かせない成分の分泌量が低下します。すると肌はハリや潤いが失われ、肌がゴワゴワしたり、紫外線などのダメージを受けやすくなったりするため、睡眠が重要というわけです。

自律神経が乱れる

私たちの体は、緊張時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経によって、さまざまな器官の働きが維持されています。ストレスからくる寝不足の場合、交感神経が優位の状態が続くため自律神経が乱れてしまうのです。

交感神経が優位になると、男性ホルモンの分泌量が増えるので、皮脂が増えてニキビができたり肌荒れにつながったりしてしまいます。

肌荒れ予防におすすめの睡眠習慣

睡眠のベッド

最後に、肌荒れ予防に効果的な睡眠のとり方を紹介します。

入眠後3時間はまとまった睡眠時間を確保する

ソファなどのうたた寝のあとベッドに移動すると、睡眠が分断されて成長ホルモンの分泌が低下します。夜はうたた寝は控えて、早めに寝る準備を整えましょう。

なお、いわゆる肌のゴールデンタイムには諸説ありますが、実はベッドに入る時間はあまり関係ないとされています。それよりも、成長ホルモンが分泌される入眠後90分はしっかり眠りについていることが重要です。

寝る前にブルーライトを浴びない

寝る前にスマホなどのブルーライトを浴びると、脳が覚醒状態になり睡眠の質が低下します。寝る前はスマホやネットサーフィンはやめて、ブルーライトを浴びないようにしましょう。

寝る前に間接照明や暖色系の灯りにしたりして、体に「もう寝る時間だ」と意識させるのもおすすめです。

自分にあった睡眠時間を見つける

人それぞれ、自分に最適な睡眠時間は違います。日本人は他の先進国と比較しても平均睡眠時間が短いという調査もあり、寝不足を自覚している人も多いのではないでしょうか。
9時間寝ないと体が持たないという人もいれば、睡眠は5時間で十分という人もいます。大切なのは、自分にあった睡眠時間を見つけることです。

寝る3時間前には食事を済ませる

しっかり睡眠時間は確保しているはずなのに寝不足だという人は、寝る前の習慣に問題があるかもしれません。消化も睡眠も副交感神経の働きによるものなので、眠りについたときにまだ消化が終わっていないと、睡眠の質が低下してしまいます。

夜にダラダラ食べるのはやめて、就寝3時間前には食事を終えるのが理想的です。どうしても食事が睡眠の直前になってしまう場合は、ヨーグルトなど消化のよいものを選ぶとよいでしょう。

寝る直前に熱いお風呂に入らない

寝る前に深部体温(体の内部の体温)が十分下がっていると、スムーズに眠りにつけます。湯船に浸かるといったんは深部体温が上がりますが、血行がよくなるため熱が放散され、ゆるやかに深部体温は下がって眠りにつきやすくなります。

しかし、寝る直前に42℃以上の熱いお風呂に入ると、かえって熱が放散されにくく、深部体温を十分に下げることができません。寝る直前に熱いお風呂に入るのは控え、就寝90分前までを目安に入浴を済ませるようにしましょう。

寝る環境を整える

寝不足を解消するためには、睡眠時間だけでなく睡眠の質も重要です。自分にあった寝具をそろえる、寝る前にリラックスできるアロマを焚くなど、寝る環境を見直してみるのもよいでしょう。

寝具も、ずっと同じものを使っていると変形して体がリラックスできなくなるので、数年を目途に買い替えるのがおすすめです。

まとめ

寝不足はターンオーバーの乱れなどを引き起こし、肌荒れの原因になります。睡眠習慣を見直して、肌荒れに負けない美しい肌を手に入れましょう。

ピックアップ記事

関連記事一覧