保湿はなぜ大事?スキンケアの基本・保湿の役割
オイリー肌やニキビ肌など、肌の状態によっては、重点的に保湿ケアしていないという方もいるかもしれません。しかし保湿ケアを怠ると、シミ、シワ、たるみ、肌荒れなどあらゆる肌トラブルの引き金になります。夏であっても、ニキビがあっても、保湿ケアは欠かせません。
今回は、スキンケアの基本ともいえる、保湿の役割について解説します。
なぜ保湿が大事なの?
なぜ保湿が大事なのでしょうか。その必要性を肌の構造から考えてみましょう。
肌の構造
肌は、一番外側から表皮、真皮、皮下組織の順に並んでいます。表皮は厚さ0.02mmの非常に薄い組織で、表皮のもっとも外側には角質層があります。角質層は、肌のターンオーバーにより角質細胞が一定周期で体外に剥がれ落ちる仕組み。
肌の土台となる真皮には、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチン、水分を保持するヒアルロン酸などがあります。皮下組織は主に脂肪細胞からなり、次のような働きがあります。
- クッションとなって衝撃を和らげる
- 体温を維持する
- エネルギーを蓄える
など
角質層がもつバリア機能とは
角質層は、ほこりやウイルスなどの外敵から肌を守るバリア機能としての役割があります。このバリア機能が働くためには、角質層の構造がしっかり維持されていることが重要です。
角質層は、角質細胞のなかに水分を保持する天然保湿因子(NMF)、角質細胞同士の隙間を埋めるセラミドなどの細胞間脂質、水分の蒸発を防ぐ皮脂膜などからなります。水分が減少すると、角質層は隙間だらけになってしぼんでしまい、外敵が侵入しやすくなってしまうのです。
また、バリア機能が弱くなると、乾燥や紫外線などのダメージを受けやすくなり、シミやたるみなどの肌トラブルを招くため、注意が必要です。
保湿剤の役割
保湿剤には、化粧水、乳液、クリームなどさまざまな種類があります。保湿剤の働きは、角質層を構成する成分を外から補い、角質層のバリア機能をサポートすることにほかなりません。保湿ケアは、肌の健康と美容のために非常に重要なケアなのです。
保湿と聞くと化粧水をイメージされる方が多いかもしれませんが、化粧水だけではやがて水分が蒸発してしまいます。皮脂膜の代わりとなって肌の表面にフタをしてくれる乳液やクリームなども使って、潤いを閉じ込めることが大切です。
肌が乾燥する原因
肌を乾燥させる要因には、以下のようなものが挙げられます。
紫外線
紫外線を浴びると、肌の表面から水分が奪われて乾燥します。紫外線によって肌が乾燥すると、バリア機能が失われ、さらに紫外線のダメージを受けやすくなるという悪循環に陥るため、注意が必要です。
肌のターンオーバーの乱れ
加齢やストレスなどで肌のターンオーバーのサイクルが乱れると、肌が乾燥する原因になります。ターンオーバーが遅くなると、水分不足の古い角質細胞が肌に残って乾燥してしまいます。
一方、ターンオーバーが早すぎるのも問題で、未熟な角質細胞が増えて水分を十分保持できなくなってしまうため、ターンオーバーを正常に保つ必要があります。
空気の乾燥
冬場は気温の低下にともない、空気も乾燥します。秋から冬にかけて乾燥肌が気になるという方もいるのではないでしょうか。また、冷房や暖房の風でも室内が乾燥するため、このような環境に長時間いる場合は注意が必要です。
間違ったスキンケア方法
ゴシゴシ洗顔、頻繁なピーリングや毛穴パックなどは、角質を傷つけて潤いを逃がしやすい肌環境を作ってしまいます。また、洗浄力が高いクレンジングを使う、熱いお湯ですすぐなどの行為は、必要な潤い成分を落として肌が乾燥してしまうため、避けるようにしましょう。
油断は禁物!こんなときでも保湿は大事
「夏場だから」「ニキビがあるから」といって、保湿を怠ってはいませんか?夏でも、ニキビ肌であっても、保湿は大切です。
夏でも保湿すべし
夏は肌がベタつきやすく、乾燥を感じない方もいるかもしれませんが、夏は紫外線や冷房、汗などによって水分が奪われやすい環境になっています。また、夏バテしたり冷たいものばかり食べたりしていると、新陳代謝が低下して肌のターンオーバーが乱れ、乾燥が進みます。夏でも油断せず、しっかりと保湿ケアを行いましょう。
ニキビ肌でも保湿は必要
ニキビ肌だと、どうしても油分が多い乳液やクリームなどの使用を敬遠しがちです。しかし、化粧水のあとに水分が蒸発しないようにフタをしないと、肌が乾燥してターンオーバーの乱れにつながります。
むしろ、適度な保湿によって過剰な皮脂分泌はコントロールされていくので、ニキビ肌であっても保湿は必須です。ニキビ肌向けの保湿アイテムもあるので、ニキビケアと合わせて保湿もお忘れなく。
美白の第一歩は保湿から
美白のためのスキンケアにおいても、保湿は重要です。保湿で肌のバリア機能を高めると、紫外線に負けない肌を作ることにつながります。
また、シミの元となるメラニンは肌のターンオーバーとともに体外に排出されますが、これが遅延するとシミとして肌に残ってしまいます。保湿ケアで肌のターンオーバーを整え、メラニンの排出を促すことが肝心です。
アトピー肌にも保湿が重要
アトピー性皮膚炎は、慢性的に湿疹やかゆみが現れる病気です。治療には炎症を抑えるステロイド外用薬や免疫抑制薬などが使われますが、それと並行して重要なのが、全身の保湿です。アトピー性皮膚炎では肌のバリア機能が低下しているため、保湿で肌を保護する必要があります。
まとめ
保湿は、角質のバリア機能を維持するために欠かせないステップです。肌はさまざまな要因で乾燥するので、毎日欠かさずに保湿ケアを行いましょう。