背中の肌荒れの対処法｜原因とスキンケア法を解説

2021.09.03

お悩み・症状

背中ニキビやボツボツなど、背中の肌荒れがなかなか治らなくてお悩みの方もいるでしょう。背中の肌荒れは顔のニキビとは原因が異なるため、正しく対処する必要があります。

今回は、背中の肌荒れの原因と、背中の肌荒れ予防のために取り入れたいスキンケア方法を解説します。

背中の肌荒れの原因

背中の肌荒れは、顔の肌荒れと異なるメカニズムで発生します。

顔の肌荒れとして多いニキビは、角質の肥厚や皮脂づまりなどが引き金となり、皮脂を栄養源とする「アクネ菌」が過剰に繁殖して炎症を起こすことが原因です。

一方、背中の肌荒れの多くは毛包炎（毛嚢炎）と呼ばれ、「黄色ブドウ球菌」などの細菌のほか、真菌（カビ）の一種である「マラセチア菌」などが原因です。

このように、顔のニキビと背中の肌荒れ（背中ニキビ）では原因菌が異なるため、正しく対処する必要があります。

「毎日お風呂に入って清潔にしているのに、なぜ背中が肌荒れするの？」と思うかもしれませんが、背中の肌荒れの原因菌となる黄色ブドウ球菌やマラセチア菌は、健康な皮膚に存在する「常在菌」です。

普段は免疫力の働きにより細菌や真菌とのバランスが保たれていますが、汗のムレ、物理的な刺激、紫外線や乾燥、ストレスによる免疫力の低下など、さまざまな影響でこのバランスが崩れると、普段はおとなしくしている常在菌が異常に増殖し、肌荒れを引き起こしてしまうのです。

上記のように、顔のニキビと背中ニキビでは原因菌が異なります。背中のブツブツなどの肌荒れには、体ニキビ専用の市販薬を使うとよいでしょう。

紫外線を浴びる機会が多い人や肌が乾燥しやすい人は、背中もしっかり保湿して肌のバリア機能を高めるのも効果的です。市販薬を使っても治らない場合や、かゆみがひどい場合は、皮膚科医に相談しましょう。

背中の肌荒れを予防するためには、毎日のスキンケアが大切です。

ゴシゴシ洗いは、背中の皮膚に負担をかけてしまいます。洗顔のときと同じように、たっぷり泡立てて優しく洗うことが、皮膚を刺激から守るポイントです。ボディソープが残っていると雑菌が繁殖しやすくなるため、しっかり洗い流すようにしましょう。

皮脂が多いとべたつく、という印象があるかもしれませんが、皮脂は肌の表面を覆い水分の蒸発を防ぐ働きがあり、「天然のクリーム」ともいわれます。皮脂が落ちてしまうと乾燥肌や敏感肌の原因になるため、適度な皮脂を残しておくことも重要です。

42℃以上の熱いお湯は、必要な皮脂まで落としてしまう可能性があります。湯船やシャワーの温度は、40℃以下を目安にするとよいでしょう。

入浴後は、顔と同じように背中も念入りに保湿ケアを行いましょう。肌に水分が残っているときの方がクリームの伸びがよいので、浴室内や入浴直後にクリームを塗るのが効果的です。手が届かない範囲は、スプレータイプのボディ用化粧水がおすすめです。

スキンケア以外でも、背中の肌荒れ予防のためにできることがあります。

肌への物理的な刺激は、肌のバリア機能を低下させて肌を敏感にしてしまいます。タオルや衣類、寝具などは、コットンなど肌に優しい素材を選ぶようにしましょう。

スキンケアや環境だけでなく、肌に必要な栄養をしっかり摂って体の内側から肌荒れに強い体を作ることも効果的です。健康な皮膚を作るために特に押さえておきたいのは、ビタミンB2やビタミンB6で、レバーや卵に多く含まれます。

タンパク質は体を作る材料なので、積極的に摂取しましょう。このほか、味噌やヨーグルトなどの発酵食品も、腸内環境を整え皮膚の代謝をサポートするのでおすすめです。

肌の健康と睡眠には密接な関係があります。夜に深い眠りについているときに成長ホルモンが分泌され、体の代謝が促進されます。これは肌についても同じで、成長ホルモンが分泌されると、肌のターンオーバー（角質細胞の生まれ変わり）が整い、肌荒れなどのダメージに強い肌になります。

睡眠時間だけでなく、睡眠の質も意識することがポイントです。お気に入りの寝具をそろえたり、寝る前にアロマなどでリラックスしたりするとよいでしょう。また、ソファでうたた寝したり、寝る前にスマホをいじったりするのは睡眠の質の低下につながるため、控えるようにしてください。

紫外線や乾燥、ストレスなど、さまざまな要因で背中の肌荒れが起こります。スキンケアや生活環境の見直しで、背中の肌荒れを予防・改善しましょう。