【医師監修】シミは体にも現れる!シミができやすい場所と部位ごとの対策

中村淑子
監修者 : 中村淑子

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医/サーマクール認定医/順天堂大学非常勤助教/北朝霞メディカルクリニック院長

【プロフィール】

大学病院で7年勤めたのち、美容皮膚科クリニックで研鑽を積み現職。
製薬会社の化粧品開発など皮膚科領域で幅広く活動している。

スキンケア

顔の美白ケアはきちんとできている人でも、体の美白ケアは疎かになっていないでしょうか。シミは顔だけでなく体にも現れるため、しっかりケアしていないと「こんなところにいつのまにかシミが…?」ということになってしまいます。この記事では、シミができやすい部位と、部位ごとのシミ対策について解説します。

シミは顔だけじゃない!

毎日鏡を見たりメイクをしたりしていると、顔のシミが気になるという方も多いでしょう。しかし注意したいのは、顔のシミだけではありません。シミは体にもできるので、気づかないまま放置していると、「こんなところにシミが…?」となることも少なくありません。
シミの種類にもよりますが、一度できてしまったシミは、セルフケアだけでは根本的に解消することは難しいです。顔だけでなく、体のシミができないように、日頃から対策をすることが大切です。

顔にできるシミは、紫外線が原因である日光性色素斑以外にも、ホルモンバランスの影響が大きい「肝斑」や、遺伝性が強い「そばかす」などが挙げられます。一方で、体にできるシミは、主に紫外線を浴びた影響でできるものが多いです。また、ニキビ跡ややけどの後の色素沈着によってできるシミは、部位を問わず顔や体にできます。

シミができやすい部位

ここからは、シミができやすい体の部位を解説します。顔以外の体にできるシミは、紫外線によって作られるものが多いです。UVケアを怠りがちな部位に、いつのまにかシミができていることも多いのではないでしょうか。

顔はシミが一番目立つ場所でもあります。特にシミができやすいのは、以下の3つです。

頬:顔の中で高い位置あるため、紫外線を浴びることが多くシミができやすい部位です。また、頬の周辺に左右対称にできる、境界線があいまいなシミは、肝斑の特徴です。

額:前髪で隠れているから、とついUVケアを怠りがちな場所です。

目元:目元周辺は、顔のほかの部位と比較して皮膚が薄いのが特徴です。乾燥しやすいため、紫外線のダメージにもさらされやすく、シミができやすい部位といえるでしょう。

デコルテ

顔はしっかりUVケアしていても、デコルテの紫外線対策は疎かになっていないでしょうか。特にデコルテが大きく開いている服をよく着るという人は、デコルテの日焼けに要注意です。

手・腕

1年を通して紫外線にさらされている手の甲は、シミができやすい部位の一つです。また、特に日頃よく車の運転をする方は、知らぬ間に腕が日焼けし、シミができていたということも考えられます。

肩・背中

肩や背中は、夏場になると露出が増えるパーツです。また、夏場に強く降り注ぐUVBという種類の紫外線は、衣服を着ていても透過して肌にダメージを与えます。「服で隠れるから」と安心せず、日差しの強いときには忘れずにUVケアをする必要があります。

シミには別の病気が隠れている可能性も

自分ではシミだと思っていても、実は別の病気が隠れている可能性もあります。シミを長期間放置していると、「脂漏性角化症」というイボに移行することがあります。また、「メラノーマ」や「基底細胞がん」など、別の病気が隠れていることも。大切なのは、自分の体の変化にいち早く気づくことです。シミだと思っていた部位の形状や色が少しずつ変化したり、出血したりなどの症状が見られたりした場合は、皮膚科を受診してください。

部位ごとのシミ対策

最後に、顔だけでなく体のシミを予防・改善するための対策を紹介します。

紫外線を浴びやすい部位はUVケアとスキンケア

紫外線は、シミの原因となるメラニンを作る最大の要因です。また、紫外線が直接の原因ではないシミでも、紫外線はシミを悪化させる因子の一つです。シミ予防のためには、紫外線のダメージから肌を守るUVケアを徹底しましょう。特に紫外線を浴びやすい顔や手・腕などは、日焼け止めクリームや日傘、アームカバーなどで紫外線対策してください。最近は飲む日焼け止めもありますのでシーンに応じて使い分けるといいでしょう。
また、洗顔や保湿といった基本のスキンケアも、シミ予防には重要です。洗顔で古い角質を落とし、保湿で肌のバリア機能を高めることで、肌のターンオーバーを整え、紫外線のダメージを最小限に抑えられます。

インナーケアで体質改善

シミの予防や改善のためには、UVケアスキンケアなどのお肌へのアプローチが最も大切ですが、インナーケアもポイントです。特に、冷え性など血行不良の人は、肌のターンオーバーが乱れやすいので、肌が硬くごわついたり、くすみやシミができやすくなります。生姜や玉ねぎなど、体を温める食材や血行を促進させる食材を積極手に取り入れてみるのもよいでしょう。また、適度な運動をしたり良質な睡眠をとるなど、生活習慣を改善することで、自律神経やホルモンバランスが整い、美肌を導きます。

まとめ

シミは顔だけでなく、体にもできます。体のシミはよく見ていないと気づかないこともあるので、いつのまにかシミが濃くなっていた…というケースもあります。特に紫外線を浴びやすい部位には注意して、紫外線対策やインナーケアをしっかり行いましょう。

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