【医師監修】シミができやすい人の特徴は?体質や生活習慣をチェック

桑原香織
監修者 : 桑原香織
【プロフィール】

東京医科大学卒業。
同大学病院にて研修後、東京医科大学皮膚科学教室に入局。
東京医科大学病院、東京医科大学八王子医療センターで経験を積む。
現在は、牟礼の里駅前クリニックで皮膚科外来を担当し、
うえまつ在宅クリニックでは在宅医療に携わっている。

スキンケア

肌の色や体質によって、シミができやすい人とできにくい人がいます。もちろん、どちらのタイプでも紫外線対策は必要ですが、シミができやすいかどうかを知っておくことは、シミの予防・改善のために重要です。この記事では、シミができやすい人の特徴として、肌の色、体質、生活習慣などを説明します。

肌の色とシミの関係

シミにはいくつかの種類がありますが、もっとも一般的なのは、紫外線を浴びたことでできるシミでしょう。紫外線の暴露によってできるシミは、医学的には「老人性色素斑」と呼ばれます。老人性色素斑のできやすさは、肌の色と関係があります。

【肌色別】日焼けしたときの反応

紫外線を浴びたときの皮膚の反応によって、スキンタイプは6種類に分類されます。

スキンタイプ 皮膚の色 紫外線を浴びたときの皮膚の反応
白色 常に赤くなり、決して皮膚色が濃くならない
白色 常に赤くなり、その後少し皮膚色が濃くなる
白色 中等度赤くなり、その後皮膚色が濃くなる
淡褐色 わずかに赤くなり、その後皮膚色が濃くなる
褐色 ほとんど赤くならず、その後皮膚色が濃くなる
黒色 赤くならず、その後皮膚色が濃くなる

参考:日本皮膚科学会(一部改変)

スキンタイプⅠは白人のなかでももっとも色素が薄い人です。一方で、スキンタイプⅥは有色人種のなかでもっとも色素が濃く、皮膚の色が黒色に近いような人です。日本人に多いのはタイプⅢおよびⅣで、紫外線を浴びると肌が赤くなり、その後時間の経過とともに濃色に変化します。

日本人はシミになりにくい?

上記の分類のなかで、もっとも紫外線に対する感受性が高くシミになりやすいのは、スキンタイプⅠの人です。日本人にはタイプⅢおよびⅣの人が多いので、白色人種と比べるとシミはできにくいですが、日本人でも色白の人ほどシミができやすいといえるでしょう。ただし、たとえ色黒の人でも、紫外線対策をしていないとシミはできます。

シミができやすい人の特徴

シミのできやすさには、紫外線以外にも、体質や生活環境などの要因があります。シミができやすい人の特徴について見ていきましょう。

シミができやすい体質

紫外線などの影響でメラニンが作られると、通常は肌のターンオーバーにより、古い角質とともに剥がれ落ちて体外に排出されます。しかし、血行が悪い人は肌の新陳代謝が滞るため、肌のターンオーバーが乱れてメラニンの排出が遅延し、シミとして残りやすくなります。血の巡りが悪くなりやすい、冷え性の人や筋肉量が少ないやせ型の人などは、シミができやすい体質ともいえるでしょう。

シミができやすい生活習慣や環境

このほかにも、シミを作る原因はさまざまあります。自分にあてはまるものがないか、チェックしてみましょう。

  • ストレス(メラニン生成のもととなる活性酸素が増加)
  • 睡眠不足(新陳代謝を促す成長ホルモンの分泌阻害)
  • 偏った食生活
  • 屋外での作業など、紫外線を浴びやすい環境
  • ゴシゴシ洗顔など、肌への摩擦

女性はホルモンバランスにも影響を受ける

女性ホルモンには、メラニンの生成を促進する働きがあります。女性は生理周期に応じて女性ホルモンの分泌量が変化するため、シミができやすくなります。特に、排卵後の黄体期は、シミが濃くなりやすいといわれています。

また、シミの一種である肝斑は、30~40代の女性に多い症状です。この年代の女性は妊娠や更年期などで女性ホルモンのバランスが変化しやすく、これが肝斑の要因だと考えられています。

シミができやすい人こそ徹底したいシミ対策

シミができやすい人でも、毎日のケアでシミの予防や改善はできます。今すぐ取り入れたい、シミ対策を紹介します。

UVケアと保湿ケア

シミができる最大の要因は、紫外線の暴露です。シミの予防・改善には、紫外線のダメージを最小限にすることが大切です。日焼け止めクリームや日傘、サングラスなどでUVケアを徹底しましょう。シミを作る紫外線であるUVBは春先から強くなるため、夏でなくても紫外線対策は忘れずに。

また、肌が乾燥していると、紫外線のダメージを受けやすくなります。化粧水だけでなくクリームや乳液でしっかり潤いを閉じ込める、保湿力に優れた化粧品を使うなど、保湿ケアも万全にしましょう。

生活習慣の見直し

スキンケアと並行して、生活習慣の見直しをはかりましょう。シミに効果的な食べ物や飲み物を摂ると、美白肌へと近づきます。美白に効く栄養素や摂取のしかたについては、こちらの記事で詳しく解説しています。


また、冷え性の人は、体を温める食材を摂取するように心がけましょう。筋肉には血流を促進するポンプとしての役割もあるので、運動で筋肉量を増やすことも有効です。成長ホルモンを分泌させて肌の新陳代謝を活性化させるためには、睡眠の質も重要です。睡眠時間を確保する、寝る前はブルーライトを浴びないなど、快適な眠りがシミの予防や改善につながります。

まとめ

肌の色や体質によって、シミになりやすい人もいます。シミができやすい人こそ、UVケアやスキンケア、生活習慣の見直しなど対策を徹底して、シミ予防に努めましょう。

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