【医師監修】シミが濃くなるのはなぜ?シミが濃くなる原因と対処法
「いつの間にかシミが濃くなっている」という経験がある方もいるでしょう。普段は目立たないシミでも、あるきっかけや要因で濃くなってしまうことがあります。
この記事では、シミが濃くなる原因とその対処法を解説します。今あるシミをこれ以上濃くしないために、スキンケアや生活習慣を見直してみましょう。
シミができるメカニズム
紫外線を浴びたり、ストレスや加齢などの影響で活性酸素が増えたりすると、肌の内部にあるメラノサイトという色素細胞が活性化します。このメラノサイトの司令により、メラニンが作られます。
生成したメラニンは、肌のターンオーバーとともに体外に排出されますが、代謝が低下していると肌のターンオーバーが乱れ、シミとして肌に残ります。シミが濃くなるという現象は、メラノサイトの働きが過剰になっていたり、メラニンの排出システムが停滞したりするために起こるのです。
シミが濃くなる原因
シミが濃くなるのは、いくつかの要因が挙げられます。
肌のターンオーバーの乱れ
シミにはいくつかの種類がありますが、紫外線が原因でできるシミは「老人性色素斑」と呼ばれます。シミのなかでもっとも多いのはこの老人性色素斑です。このタイプのシミでは、紫外線を浴びて生成したメラニンは、肌のターンオーバーによって古い角質や垢とともに剥がれ落ちます。
20代の肌のターンオーバーの周期は約4週間といわれていますが、年齢を重ねると代謝が低下してこの周期が長くなるため、メラニンの排出までに時間がかかります。肌に滞留している間にメラニンの合成がさらに進むと、シミが濃くなってしまうので、注意が必要です。
紫外線
老人性色素斑の場合、紫外線を浴び続けるとメラニンの生成が活発になり、シミが濃くなります。また、肌のターンオーバーが正常でも、メラニンを生成するスピードが排出を上回っていると、肌にメラニンが滞留し、色素沈着してシミが濃くなります。
さらに、老人性色素斑以外のシミ(例えばそばかすや肝斑など)でも、紫外線はシミを悪化させて濃くする要因だといえるでしょう。
ホルモンバランスの変化
シミはホルモンとも関連があります。女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」には、メラニンの生成を促す働きがあります。女性は生理前にこれらのホルモンの分泌が多くなるため、シミが濃くなる傾向があります。また、30~40代の女性に多い肝斑も、ホルモンバランスの変化によりシミが現れる病気です。
シミを濃くしないための対処法
できてしまったシミをセルフケアだけで完全に消すことは難しいですが、これ以上濃くしないようにケアすることはできます。シミを濃くしないために、以下のケアを徹底しましょう。
新陳代謝を高める
若い頃と比べて、年を重ねると代謝は低下していきます。すると肌のターンオーバーも乱れ、シミが濃くなる原因に。マッサージ、適度な運動など、血行をよくして体の新陳代謝を高めましょう。
また、腸内環境が整うと代謝が上がり、免疫力もアップします。腸内の善玉菌を増やす発酵食品や、善玉菌のエサとなる食物繊維が豊富に含まれる食品を摂取するのもよいでしょう。また、冷え症の人は、生姜や温かいスープなどを食べる、湯船につかるなどして、体を温めるケアを取り入れるのもおすすめです。
UVケア
紫外線は、メラニンを生成してシミを作る原因となる最大の原因です。日焼け止め、日傘、サングラスなどで紫外線対策をしましょう。地表に届く紫外線はUVAとUVBの2種類がありますが、主にシミの原因となるのは、夏場に紫外線量が多くなり、肌表面に強いダメージを与えるUVBです。
日焼け止めクリームでUVBをカットする指標は、SPFの値で表されます。シミが濃くなるのを防ぐためには、UVBが高い日焼け止めを選ぶのがポイントです。また、夏場は汗で日焼け止めクリームが流れやすいので、2~3時間おきにこまめに塗り直すとよいでしょう。
休養と睡眠
ストレスは活性酸素を発生させてメラニンを生成し、シミを濃くする原因になります。ストレスを抱える前に、しっかり休養を取りましょう。また、美白や美肌のためには質の高い睡眠が欠かせません。しっかり睡眠が取れていると、夜間に成長ホルモンの分泌が促進され、新陳代謝が活発になります。
睡眠時間の確保はもちろんのこと、就寝前の飲食やブルーライトは控えるなどして、睡眠の質を高めましょう。
急に濃くなるシミは皮膚科を受診しよう
徐々にシミが濃くなるのは一般的な経過ですが、短期間で急にシミが濃くなったり、大きさや形状が変化したりする場合は、別の病気の可能性も考えられます。急にシミの色や形状が変化した場合は、皮膚科医に相談してください。
まとめ
シミが濃くなる原因には、肌のターンオーバーの乱れ、紫外線、ホルモンバランスの影響などが挙げられます。シミが濃くなるのを防ぐために、紫外線対策や運動、睡眠など、生活習慣を見直してみましょう。