シミはどうやってできる?メカニズムと種類をご紹介します!

スキンケア

肌のお悩みに挙げられるシミですが、シミがどのようにできるのか、そのメカニズムを理解することはシミ予防にもつながります。また、一口にシミといってもいくつかの種類があり、シミができる原因や治療法も異なります。

今回は、シミができるメカニズムと、シミの種類について解説します。

肌の構造

まずは肌の構造について見ていきましょう。

肌は3層構造

肌は一番外側から、「表皮」「真皮」「皮下組織」の順に3層構造になっています。

表皮:厚さ約0.1~0.3ミリの層です。乾燥や紫外線などのダメージから、肌を守るバリア機能としての役割を担っています。

真皮:肌の土台となる部分です。真皮の大部分を占めているのは、繊維状のタンパク質であるコラーゲです。このほか、弾力を与えるエラスチン、水分を保持するヒアルロン酸などの働きによって、肌のハリをキープします。血管やリンパ管なども真皮に存在しています。

皮下組織:主に脂肪組織からなります。衝撃を吸収するクッション、体温の調節、エネルギーの備蓄などの働きがあります。

表皮の構造

シミの種類にもよりますが、シミのもととなるメラニンは多くは表皮中にできます。
表皮は、外側から「角質層(かくしつそう)」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「基底層(きていそう)」の4層構造になっています。

メラニンができる仕組み

メラニンができるメカニズムを解説します。

紫外線などの刺激でメラニンが生成

基底層にはメラノサイトという細胞があり、これがメラニン生成の司令塔です。紫外線を浴びると、メラノサイトが活性化してメラニンが作られます。メラニンの原料はアミノ酸の一つであるチロシンで、チロシナーゼという酵素の働きでメラニンが合成されます。メラノサイトで作られたメラニンは、その後ケラチノサイト(角化細胞)に受け渡されます。

メラニンとは

シミのもとになるメラニンは、美肌の敵だと思われがちですが、実は紫外線から肌を守るうえで重要な役割を果たしています。ケラチノサイトに渡されたメラニンは紫外線を吸収して、シワやたるみなどの肌トラブルや、皮膚がんなどの病気を予防する働きがあります。メラニンは、肌の健康のために欠かせない存在なのです。

肌のターンオーバーとともにメラニンは角質層に

表皮は一定の周期で生まれ変わりを繰り返しており、これを肌のターンオーバーといいます。基底層のケラチノサイトが細胞分裂し、徐々に基底層から角質層へと押し上げられていきます。それが垢や古い角質となって剥がれ落ちる仕組みです。通常、生成したメラニンは肌のターンオーバーにともない、体外に排出されていきます。

シミができるメカニズム

メラニンがシミになってしまうメカニズムは、大きく分けて以下の2点が挙げられます。

過剰な紫外線への暴露

排出できない量のメラニンが生成されると、肌のターンオーバーが追いつかず、シミとして沈着しやすくなります。なお、紫外線への暴露が原因でできるシミは、医学的には「老人性色素斑」と呼ばれています。

紫外線のほか、ストレスなどの影響で発生する活性酸素も、メラノサイトを活性化して過剰なメラニンを生成する原因になってしまうのです。

肌のターンオーバーの乱れ

歳を重ねるにつれて肌のターンオーバーの周期は遅くなり、20代では約28日間だったものが、30~40代では45日程度になります。肌のターンオーバーが遅くなると、それだけメラニンの排出も遅れていきます。

また、偏った食生活や睡眠不足などの生活習慣の乱れ、冷え性や便秘などの体質も、肌のターンオーバーに影響します。なお、肌のターンオーバーは早ければいいというものではなく、早すぎると未熟な細胞が増え、表皮のバリア機能を維持できず、紫外線のダメージをより受けやすくなってしまいます。

シミの種類

紫外線による老人性色素斑のほかにも、表皮にできるシミにはいくつか種類があります。

肝斑

主に女性ホルモンの変化によってできるシミで、両頬に輪郭がはっきりしないモヤモヤとした形状のシミが現れるのが特徴です。ホルモンバランスが変わりやすい、30~50代の女性に多く見られます。肝斑の治療には、トラネキサム酸という抗炎症薬がおすすめです。皮膚科で処方されるほか、含有量は異なりますが市販薬もあります。

雀卵斑

いわゆる「そばかす」で、頬や鼻に小さな斑点状のシミができます。遺伝的素因が強く、小児から発症し思春期で濃くなり、その後は落ち着いていくことが多いですが、皮膚科では光治療やレーザー治療があります。

炎症後色素沈着

ニキビや外傷、やけどなどにより肌に炎症が起こると、メラノサイトが刺激されてメラニンの生成が活発になります。できたメラニンがその後色素沈着をおこして、シミとして残るのが炎症後色素沈着です。

炎症後色素沈着を予防・改善するためには、バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠など、肌のターンオーバーを促進する毎日のケアが重要です。ニキビ跡には、美白成分を使ったポイントケアも有効です。ニキビ跡に効く美白成分については、こちらの記事をご覧ください。

まとめ

メラニンは紫外線から肌を守るために必要な物質で、通常は肌のターンオーバーとともに体外に排出されます。シミができるメカニズムを知り、適切なアプローチをしましょう。

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